序文

 2018年、日本とスウェーデンは外交関係150年を祝います。この間われわれはお互いを知りあい、確固で、共通で、民主的かつ市場経済の価値観に基づく幅広い協力関係を築き上げてきました。友好と協力についての本書からは、距離は遠く、文化的な違いにも拘らず、両国が共通の関心を見つけ、そして両国の利益になったことが伺えます。貿易、研究協力、企業立地、文化交流、両国の社会の課題の分野で、公共部門でも民間部門でも二国間の交流に繋がっています。われわれの目標はこれらの大切な絆を確実にし、さらに強化することです。

 

過去数十年間、スウェーデンと日本の協力と交流は拡大してきました。スウェーデンの王室と日本の皇室の親しい関係は交流の中心的な役割を果たし、重要なインスピレーションを与えてくれました。政府トップレベルの双方の訪問も頻繁になり、20177月には安倍首相がストックホルムを訪問されました。両国の有能な外交官、ビジネスマン、研究者、文化人もそれにならってきました。

 

スウェーデンの最初の在京公使は私の先祖のグスタフ・オスカー・ヴァレンベリであったこと、またスウェーデンの産業界は今日世界第三の市場である日本に深く関わっていることから、私自身も関心を持ってフォローするだけではなく、両国の協力をさらに強化するために積極的に努力してきました。

 

EU(欧州連合)と日本が2017年夏に合意に達した経済協定は2019年に発効する見込みで、瑞日間の協力も一層前進させることでしょう。貿易の自由化、経済的戦略的な協力の拡大、そして共通の環境目標は将来の見通しを明かるくします。

 

2018年には日本でもスウェーデンでも両国の利益になる共通の努力のための多くの事業が計画されています。記念事業は瑞日協力の目標水準を高める新たなスタートとなることを祈念しています。

 

ヴァレンベリ財団が支援し、瑞日基金がこの本書の出版を引き受けてくれたことを嬉しく思います。執筆された日本研究家バート・エドストローム博士、及び瑞日基金専務エドヴァルド・フリートウッド、瑞日150年委員会委員長ステファン・ノレーン大使、レイアウト担当のイェニー・ビサンデルさん及び元外務次官フランク・ベルフラーゲ各氏からなる編集委員会にお礼を申し上げます。

 

ストックホルム 20181

 

ヤコブ・ヴァレンベリ